【知りたい資産運用(10)】 五つの心理が大きく影響

 

 資産運用の成果には、五つの心理が大きく影響し「行動ファイナンス」として注目されています。

 まずは「自信過剰性」があります。過去の投資結果がうまくいったのは自分が正しい判断をしたからだと考え、失敗すると単に運やマーケットのせいだと考えがちで、女性よりも男性にその傾向が強いようです。

 次に「損失回避性」です。利益と損失が同じ金額である場合に、利益が出るよりも損失が出ることを避けようとする心理です。

 3点目は「代表性」。固定観念に引きずられて、良いことが続けて起こるとまた良いことが起きると期待する心理です。

 4点目は過去の見通しや予測に固執してしまい、新たな情報に対して柔軟な行動ができない心理「保守性」です。

 最後は「群集性」。バブル末期に多くの未経験者が株を買ったり、ブラックマンデーの時の「売りが売りを呼ぶ」現象などです。

 私のように合理的な行動が苦手な人が非合理的な投資行動を改善するためには、市場の動きに関係なく、継続的に一定額を投資できる積立投資が有効です。

 (東邦銀行金融商品営業部担当部長・関根敦)