【TRY・バック転(下)】恐怖に打ち勝つ!後ろにジャ~ンプ

 
エアートランポリンに向かって斜め後方にダイブする記者(右)。後方に跳ぶ恐怖心をなくしていく

 バック転へのトライ。くるりと回ることができたが、講師陣に支えてもらってのたまものだった。(報道部・石井裕貴)

 バック転を成功するために克服しなくてはいけないのは、斜め後ろにジャンプするという恐怖心だ。成功の秘訣(ひけつ)はここにある。


 「これから本格的なバック転の練習ですけど大丈夫ですか」。代表の高橋知恵さん(37)から心配そうに尋ねられる。

 「大丈夫です」。自信満々に答えた。なぜなら、門をたたいた仙台市宮城野区のスポーツ教室「クレイジー・トイ・ボックス」は安全にバック転をするための器具が充実している。

 まず、登場した特別なアイテムが、空気で膨らませたエアートランポリンだ。エアートランポリンに向かって、斜め後方にダイブする練習を繰り返す。何度もやっていると、確かに後ろに跳ぶ恐怖が薄れてきた。

 次にあおむけでバランスボールに背中から寄り掛かるようにして、回転してみる。両手が地に着いたら、ぐっと両腕に力を入れて体を持ち上げると、くるりと体が回転。「疑似バック転」が完成した。その感覚を体が忘れないうちに、高橋さんたちに補助してもらうと、何となく形になる。90分の練習時間ではここまでが限界だった。普段は使っていなかった部分の筋肉はすでに悲鳴を上げていた。

 この日、最もためになった話がある。動画投稿サイトなどで、布団を使ったり友人の補助を受けたりしてバック転している姿があるが、素人は危険なので絶対にまねしてはいけない。今回は頼もしい講師陣がいたからこそ、挑戦できた。

 「バック転などのアクロバットは危険が伴うので正しい指導の下、安全な場所で練習してほしい」と高橋さん。高橋さんがいなかったら、本当に思いが空回りするだけだったはずだ。

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 エアートランポリン 遊園地や子ども向けイベントで見掛ける送風機で送り続けた空気で膨らませた遊具のようなクッション性の高いトランポリン。跳びはねると内部に送り込んだ空気の圧力で、跳躍力や浮遊感を得られる。バランス感覚を養ったり、アクロバットの練習に使用されている。