【TRY・シャワーウオーク(下)】緊張、急斜面一気にドボン

 
シャワーウオークを堪能し、安達太良山の大自然を満喫する記者

 沢遊び「シャワーウオーク」でずぶぬれの記者。安達太良山の中腹を流れる烏川(からすがわ)を上流に向かって歩き、大自然と一体となってきた。(報道部・安達加琳)

 目の前には魚も上流に上れない「魚止滝(うおどめのたき)」。落差約7メートルほどか。その存在感に息をのむ。「滝の裏側に行ってみましょう」。滝の音に紛れ、案内してくれているあだたらアクティビティガイドの加藤正広さん(62)の声がうっすらと聞こえた。

 滝つぼの周りを歩き、ゆっくりと裏側へ。岩と岩を飛び移る瞬間、滝から極上のシャワーを浴びる。水圧で頭が押しつぶされそうになるのを耐え、ようやく裏側にたどり着いた。

 滝の裏から見る滝の流れは神秘的。気分は「滝の主」にでもなったようだ。魚止滝を後にし、再び遊歩道を歩く。周辺にはマツやヒノキなど針葉樹が広がる。「癒やしが欲しい時は森林浴が一番だなあ」。滝や川から放出されるといわれるマイナスイオンを浴びながらさらに上流へ向かう。

 鶴見橋の下で一休み。「こまめに水分とってね」と加藤さん。川に入っていてもスーツを着ると体内の水分は急激に奪われる。水分補給は必須だ。加藤さんが用意してくれた温かいコーヒーとトマトを食べて体力が回復した。

 最後の目標が見えてきた。大きな岩が並ぶ岩場「ゴーロ」を乗り越え、紅葉滝(もみじだき)でウオータースライダーだ。コケの生えた急斜面を登り、滝の頂上から滑り下りる。

 川床に座ったが心が折れそうだ。覚悟を決めて滑り始めると急加速。一気に水の中に飛び込んだ。爽快感でいっぱいになる。

 「なんだ、大丈夫だ」。楽しさが心の底から湧いてきた。「もう一滑り行ってきて」と言われ、2回目は笑顔で飛び込んだ。

 温泉に入って一息つくまでがシャワーウオーク。出発点の宿「mt.inn(マウントイン)」に戻り、温泉につかりながら振り返る。非日常の体験ばかりで求めていた夏の刺激の連続だった。身も心も浄化されていた。

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 安達太良山 安達太良連峰の主峰で標高は1700メートル。活火山の一つ。日本百名山と花の百名山に選ばれている。登山口は福島市、二本松市、猪苗代町、郡山市、大玉村にあり多くの登山客が集まる。