【TRY・パンプトラック(上)】こがず進め!波打つ「路面」

 
波打つような起伏が特徴の「しんちパンプトラック」

 新地町が7月に開設した「しんちパンプトラック」。普段運動する機会があまりない30代の自分でも楽しめる施設なのだろうか。今回のトライでは、そんなテーマを掲げて自転車にまたがろうと思う。(相馬支局・大内義貴)

 指導してくれたのは、しんちパンプトラック専任インストラクターで、プロマウンテンバイクライダーの高橋開さん(28)。普段は子ども向けに教室を開催しているが、大人向けも今後行う予定とのことで快く応じてくれた。

 パンプトラックは波打つような起伏で、体重移動によりうまく体を使うとペダルをこがずに走ることができるのが特徴。主に使用される自転車は安定性の高いマウンテンバイクと、小型でジャンプなどを行うのに向くBMXの2種類。

 今回は、フリースタイル・パーク競技が東京五輪で採用され、注目が集まるとの理由でBMXに挑戦する。うまくいけば今から五輪も目指せるか。

 不安なのはやはりけが。施設で貸し出すヘルメット、ひじ、ひざ当てと手袋で完全防備。なんだか強くなった気分。走行への不安も和らいだ。

 「走行前にコースを確認しましょう」。高橋さんと一緒にコースを歩くと、想像以上にぐにゃぐにゃと波打つ路面の感覚が足裏から伝わる。「誰でも走れるようになりますよ」と高橋さん。急角度で壁のように大きな斜度があるカーブの前に立つと、思わず言いたくなった。うそはついてませんよね。

 初心者の上達の手順は〈1〉単純にコースを回る〈2〉ペダルはこいでいいが可能な限り立ったまま周回〈3〉ペダルをこがずに周回〈4〉より速く回る。ジャンプなどに挑戦―の4段階あるという。今回は最低限の目標として〈3〉までの挑戦を提案された。

 挑戦を前に、先生のお手本を見せてもらった。こぶをうまく使いどんどん加速していく。急角度のカーブを猛スピードで駆け抜ける。あまりにスムーズにこなす様子に冷や汗が出た。本当にできるようになるのだろうか。

          ◇

 しんちパンプトラック 舗装されたパンプトラックとしては日本一の大きさ。自転車のほかスケートボードやインラインスケート、キックボードで利用可能。国際基準を満たすレース(全長315メートル)のほか、ジャンプ(同145メートル)、キッズ(同94メートル)の3コースを備える。