【TRY・ブライダルスタッフ(下)】手際よく!美しくメーク

 
緑川記者にメークの仕上げとして口紅を塗る記者(右)

 いわき市のスパリゾートハワイアンズにあるブライダルサロンでのトライ。未婚、既婚を問わずに女性がウエディングドレス姿を撮影できる「マウロアウエディング」でスタッフとなり、いよいよドレスの提案だ。(いわき支社・根本藍子)

 コスチュームアドバイザーの高萩早智さん(30)とドレス選びに挑戦。「楽しそう」と簡単に思っていたが、選び方のポイントは想像以上に奥深い。着やせ効果の飾りをはじめ、肌を美しく見せる色など。利用者の好みと勧めたいドレスの見極めが重要だ。

 モデルは、変身した姿を見てみたいという互いの願望が一致した同僚の緑川沙智記者(26)にお願いした。気心が知れた相手でも実際にやってみると提案が難しい。

 そこでプロからのお助け。高萩さんは緑川記者より低い目線で寄り添い、自然な流れで要望を聞き出す。自分のセンスを押し付けず、利用者の意見を尊重するのが役目だと気付いた。

 「童顔なので大人な雰囲気に仕上げたい」との緑川記者の意見を丁寧に聞き、淡い色を提案した。緑川記者に実際にドレスをあてがおうとするが、これが予想以上に重い。

 ドレスは平均約4~5キロ。裾を引きずらないよう片手で持ち上げるのも大変だ。この動きを3着分繰り返す。これは筋肉痛だな。華やかなイメージの裏側に、スタッフの奮闘が垣間見えた。

 新郎新婦が式の前に準備する部屋に移動すると、ヘアメークを担当するサイトー美容室の大平晴美さんと斉藤康子さんの2人が待っていた。

 2人は、緑川記者の要望に耳を傾けながら、手際よくヘアメークと化粧を施していく。選んだドレスや顔、雰囲気を見て似合うものを瞬時の判断。手を出せそうにない。

 監督を気取って後ろで見守っていると、メークの仕上げに口紅を塗らせてもらう機会をもらった。初めての経験に緊張で手が震えつつ「美しく仕上げよう」とプロになりきり、やりきることができた。

 メークを終えた緑川記者がドレスに袖を通すのを部屋の外で待った。部屋から出てきた緑川記者の変貌ぶりに気分が高揚した。撮影に臨む緑川記者は柔らかい笑顔を浮かべ輝いていた。大きいリュックを背負って走り回るいつもの姿とはまるで別人だった。

 美しいドレスだけでは、お客さんの笑顔を引き出すことはできない。一致団結し、女性が輝く舞台を作り上げるスタッフ。チームプレーがあってこそ幸せな思い出ができると実感した。