【鶴ケ城の赤瓦】 割れにくくなって長持ち

 
赤瓦が美しい現在の鶴ケ城

 会津若松市(あいづわかまつし)の鶴ケ城(つるがじょう)は国内で残(のこ)っている城(しろ)の中で唯一(ゆいいつ)、天守閣(てんしゅかく)に赤瓦(あかがわら)が使われています。

 瓦(かわら)は粘土(ねんど)を固めて焼いて作られます。赤瓦が赤いのは、赤い色が出る「上薬」が塗(ぬ)られているためです。上薬は、模様(もよう)を描(か)いたり水分の吸収(きゅうしゅう)を防(ふせ)いだりするために使われます。

 鶴ケ城が建てられた当時は上薬が塗られていない黒い瓦だったため、雪が解(と)けて瓦に染(し)み込(こ)み、その水分が凍(こお)り瓦が割(わ)れることがありました。そこで初代会津藩主(はんしゅ)の保科正之(ほしなまさゆき)が、瓦を長持ちさせるために上薬を瓦に塗って水分の吸収を抑(おさ)えようと考え、1653(承応(しょうおう)2)年から赤瓦へのふき替(か)え作業が行われました。

 鶴ケ城は1965(昭和40)年の再建(さいけん)で黒瓦が使われましたが、2011(平成23)年に赤瓦の姿(すがた)に生まれ変わりました。武家(ぶけ)文化を伝える博物館の役割(やくわり)も担(にな)っています。

 【どこで?】鶴ケ城(つるがじょう) 会津若松市(あいづわかまつし)追手町1の1。バス停「鶴ケ城入口」から徒歩5分。

みんゆうジュニア情報局