【清戸廹横穴】 お墓の壁、描かれた謎の絵

 
壁に渦巻き模様や手をかざした人物などが描かれている清戸廹横穴(双葉町提供)

 東京電力福島第1原発事故(じこ)のため、全町避難(ひなん)が続く双葉町(ふたばまち)に国指定史跡(しせき)の横穴墓(おうけつぼ)「清戸廹横穴(きよとさくよこあな)」があります。横穴墓は斜面(しゃめん)に横穴を掘(ほ)って造(つく)った、古墳(こふん)時代の墓(はか)のこと。清戸廹横穴の中の壁(かべ)には、渦巻(うずま)き模様(もよう)や手をかざした人、馬に乗った人などが赤い色で描(えが)かれています。

 この横穴は1967(昭和42)年に見つかり、7世紀に造られたと考えられています。壁画(へきが)には、渦巻き模様の下に、シカや猟犬(りょうけん)、矢を放つ人物など狩(か)りの風景も描かれています。

 壁画が何を意味しているのか謎(なぞ)は解(と)けておらず、町教委の吉野高光(よしのたかみつ)さんは「子どもたちにも考えてみてほしい」と話しています。

 横穴は帰還困難区域(きかんこんなんくいき)にあるため簡単(かんたん)には入れません。町教委は内部の温度と湿度(しつど)のデータをいわき市の事務所(じむしょ)で確認(かくにん)しています。横穴に入り込(こ)む水分や木の根の対策(たいさく)なども行い、史跡の保存(ほぞん)に取り組んでいます。

 【どこで?】清戸廹横穴(きよとさくよこあな) 双葉町(ふたばまち)新山(しんざん)字清戸廹304の12。震災(しんさい)と原発事故(じこ)前までは毎年4回、一般(いっぱん)公開されていました。

みんゆうジュニア情報局