【百尺観音】 岩に彫られた巨大仏像

 
岩壁にそびえる巨大な百尺観音

 岩壁(がんぺき)に彫(ほ)られた巨大(きょだい)仏像(ぶつぞう)「摩崖仏(まがいぶつ)」が、相馬市にあります。名前は「百尺観音(ひゃくしゃくかんのん)」といいます。「尺」は長さの単位で約30センチ。百尺観音の大きさは約27メートル(88尺)で、台座(だいざ)の部分が完成すると約36メートル(118尺)になり、国内最大級の大きさになります。

 仏像を作る彫刻家(ちょうこくか)(仏師(ぶっし))の荒嘉明(あらよしあき)さんが人々の幸せを願って作りました。1930(昭和5)年から約30年をかけて一人で岩に彫りましたが、途中(とちゅう)で亡(な)くなったため未完成です。

 作られてから長い年月がたっていることや、東日本大震災(だいしんさい)の影響(えいきょう)もあって崩(くず)れてしまった部分もありますが、県内外から観光客が訪(おとず)れる名所となっています。

 今は嘉明さんのひ孫の荒陽之輔(ようのすけ)さん(33)らが管理を引き継(つ)ぎ、百尺観音の修復(しゅうふく)と完成を目指しています。近くで売店も運営しています。陽之輔さんは「豊(ゆた)かな自然の中で厳(おごそ)かな雰囲気(ふんいき)を感じてほしいです」と話しています。

【どこで?】百尺観音(ひゃくしゃくかんのん) 相馬市日下石高根沢(にっけしたかねさわ)686。JR常磐線(じょうばんせん)相馬駅から車で約20分。

みんゆうジュニア情報局