【山ノ井公園】 1300年前の「悲恋物語」伝わる
郡山市北西部にある山(やま)ノ井(い)公園は、同市に伝わる「うねめ伝説」の発祥(はっしょう)の地とされ、約1300年前の悲恋(ひれん)の物語が語り継(つ)がれています。
うねめ(采女)は中世に帝(みかど)の側近(そっきん)に仕(つか)えた女官です。1300年前、陸奥(むつ)の国安積(あさか)の里(現在(げんざい)の郡山市)は冷害で朝廷(ちょうてい)への貢(みつ)ぎ物(もの)ができませんでした。
そんな中、奈良(なら)の都から訪(おとず)れた葛城王(かつらぎおう)が、里長(さとおさ)の娘(むすめ)の春姫(はるひめ)を帝の采女として献上(けんじょう)することを条件(じょうけん)に、貢ぎ物を免除(めんじょ)すると言いました。春姫は許嫁(いいなずけ)がいましたが、悲しみをこらえ別れました。
春姫は都で許嫁を恋(こい)しく思い、池に身を投じたと見せかけて安積に戻(もど)ります。しかし許嫁は既(すで)に亡(な)くなっており、春姫はこの公園にある「山ノ井清水」に身を投げました。これが「うねめ伝説」です。「うねめまつり」では、公園に隣接(りんせつ)する采女神社で「うねめ供養祭(くようさい)」が行われています。
【どこで?】山(やま)ノ井(い)公園 郡山市片平町字山ノ井11の1。采女(うねめ)神社のふもとにあります。