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漢字の世界46

 

四字熟語
【2006.03.10】
春風駘蕩(しゅんぷうたいとう)

人がらが明るくゆったり

 春風がのどかに吹くさま。転じて、人がらが明るくゆったりしているさま。

 六朝(りくちょう)の謝兆((しゃちょう)(五世紀の詩人))に、「春物方(しゅんぶつまさ)に駘蕩たり」という句があるのが、もとの出どころだろう。これは春の景色がのどかなことを詠(うた)う。

 「駘」の原義は、のろい馬、「蕩」は、広く流れる水の意だが、「駘蕩」と連ねて「広く大きい―のどか」の意となる。ウ(トウ)と音がそろう。

 「磊落(ライラク)」「駘蕩(タイタウ)」のように、上の音がそろうのを「双声(そうせい)」といい、「霹靂(ヘキレキ)」のように下の音がそろうのを「畳韻(じょういん)」という。どちらも物を形容する語である。

 「春は名のみの風の寒さや」(早春賦)という歌もある。「春風駘蕩」となって初めて、春本番となる。 

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 

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