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漢字の世界77

 

四字熟語
【2006.04.17】
漱石枕流(そうせきちんりゅう)

負け惜しみのたとえ

 「石に漱(くちすす)ぎ流れに枕(まくら)す」と読む。負け惜しみのたとえ。夏目漱石の号の由来になったことで知られる。

 西晋のころ(三世紀)、孫楚(そんそ)という人物が隠居しようとして、友人の王済(おうさい)に、「これからは、石に枕し流れに漱ぐ人生を送る」と言うところを間違え、「石に漱ぎ流れに枕する」と言った。王済が「石に口を洗ったり、流れを枕にしたりできないじゃないか」と反論すると、「石に漱ぐのは歯を強くするため、流れに枕するのは耳を洗うため」と言いのがれた。

 昔、堯(ぎょう)から天下を譲られようとした許由(きょゆう)が、「汚(けが)らわしいことを聞いた」と耳を洗った故事があるのを、「当意即妙(とういそくみょう)」に用いたのである。屁理屈(へりくつ)を機知で切り返したというところ。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 

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