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漢字の世界95

 

 

四字熟語
【2006.05.09】
衣錦還郷(にしきをきてきょうにかえる)

立身出世して故郷に帰る

 読み下し文のまま四字熟語になっている。

 立身出世して、あるいは金持ちになり故郷に帰る。

 『詩経』には「衣錦耿衣(錦を衣(き)て耿衣(けいい)す)」という句があり、美しい錦の上に薄い単衣(ひとえ)(耿、または絅(けい))をまとう、と美をてらわないことを詠(うた)う。

 後世では、もっぱら錦をひけらかす方に用いられる。楚(そ)の項羽(こうう)は秦(しん)の都咸陽(かんよう)を占領して宝物を奪い、「金持ちになって故郷に帰らないのは、錦を着て夜歩く(衣錦夜行)ようなもの、誰も見ないからつまらない」とうそぶいた。

 呉越(ごえつ)の興亡のとき、呉を滅ぼして凱旋(がいせん)した越の兵を、「義士(忠義な家来(けらい))郷に還りて尽(ことごと)く錦衣(きんい)す」と李白は詠う。褒美(ほうび)をたくさんもらい意気揚揚(いきようよう)のさまだ。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 

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