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漢字の世界125

 

 

四字熟語
【2006.06.13】
馬耳東風(ばじとうふう)

知らん顔して聞き流す

 7番目は馬(うま)(午(ご))。

 人の言うことを気に留めず、知らん顔して聞き流す。

 東風は春風のこと。馬の耳に春風が吹いても知らん顔している。出典は李白の詩。「世人此(せじんこ)れを聞いて皆頭(こうべ)を卓(ふる)い、東風の馬耳を射るが如(ごと)き有り」とある。

 「頭を卓う」は否定するしぐさ。李白がいろいろ気焔(えん)を上げて胸のうちを詠(うた)っても、世間の人は頭を横に振って相手にしない。それは春風が馬の耳を吹くようなものだ、と李白は歎(なげ)いているのである。

 蘇東皮(そとうば)にも、自然の美しさを都会の若者に説いたが、「馬耳東風に殊(こと)ならず」と歎いた詩の句がある。

 わが国の「馬の耳に念仏(ねんぶつ)」に近い。いくらよいことを言って聞かせても、聞く耳を持たねばしかたがない。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 

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