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漢字の世界348

 

【2007.3.8】
断簡零墨(だんかんれいぼく)

切れ切れになった文書

 切れ切れになった文書。文書の切れ端。

 特に典故はない。唐の李紳(りしん)の詩に「故筐(こきょう)歳深くして断簡を開く」という句がある。古い箱(筐)に年々書きかけの詩稿がたまっているのを取り出してみる、という意味。

 「簡(かん)」は、紙のない時代、木や竹に字を書いた書物を「木簡」「竹簡」といった名残りで、紙をいう。「断簡」は、紙の切れ端。「零墨」の「零」は「零細」(わずか)の意。「墨」は、墨で書いたもの。わずかな文書の残りを「零墨」という。

 普通「断簡零墨に至るまで」と言い、文人の書いたものをすべて残らず探し集める場合などに用いる。

 書聖と仰がれる王羲之(おうぎし)の書は、手紙の端など断簡零墨に至るまで伝わっている。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 



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