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漢字の世界208

 

【2006.9.21】 
反哺之心(はんぽのこころ)

養ってくれた親に恩返し

  養ってくれた親に恩返しをすること。

 『本草(ほんぞう)』(薬草や動植物の百科事典)によると、慈烏(じう)(からすの一種という)は生まれると母親が60日間食べ物を与えて養ってくれるので、成長すると60日間母親に食べ物を反(かえ)す。これを「反哺」という。「哺」は、口の中の食べ物の意。

 白楽天に「慈烏夜啼(じうやてい)」という長い詩があり、
 慈烏其の母を失(うしな)い

 唖々(ああ)として哀音(あいおん)を吐く

 声中告訴(こくそ)するがごとし

 未だ反哺の心を尽つくさずと(慈烏は母を亡くし、カァカァと悲しげに鳴く。その声はまだ恩返しができないと訴えているようだ)と詠(うた)う。

 古い注釈では慈烏は黒くて小さい種類というが、慈愛深いからすの意だろう。


全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 


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