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漢字の世界213

 

【2006.9.27】 
神出鬼没(しんしゅつきぼつ)

現れたかと思うと姿を消す

 たちまち現れたかと思うとまた姿が見えなくなる。

 これも「神鬼出没(しんきしゅつぼつ)」を互い違いにいう互文(ごぶん)。神鬼は人間ばなれした存在、普通「鬼神(きしん)」という。

 鬼神のように現れたり消えたりすることで、もと兵法の語。『隹南子(えなんじ)』兵略訓という兵法書に「善(よ)くする者の動くや、神出にして鬼行」(兵法に長じている者は、鬼神のように行動する)とある。ここでは「神出鬼」といっているが、意味は同じ。

 行動が素早く、相手の動きに臨機応変(りんきおうへん)(79回)に対応することだが、今ではどこにでも現れ、用が済むとサッと消えるような行動を取る者をいう。

 例えば”怪盗ルパン”などがその例にぴったりだ。風の如(ごと)く現れて消えてゆく。


全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 


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