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漢字の世界259

 

【2006.11.21】
不得要領(ふとくようりょう)

本当のことが分からない

 「要領を得ず」と読む。大事なところがつかめない。本当のことが分からない。

 『史記』に「張騫月氏(ちょうけんげっし)より大夏(たいか)に至り、ついに月氏の要領を得る能(あた)わず」(張騫は月氏国から大夏国まで行ったが、結局、月氏の本当の気持ちをつかむことができなかった)とある。張騫の西域遠征の記事である。

 「要領」は着物の腰帯(こしおび)(要)とえり(領)をいう。

 中国の長い着物を両手で持つ場合、えりと腰帯を持つことから、物の要のところ、転じて一番大事なこと、の意になった。

 四字熟語としては、前回の「曖昧模糊」に近く、肝心なところがはっきりしない意味に用いる。
 また「要領」は、要領がよい、要領が悪いというような用い方もする。 


全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 


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