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漢字の世界269

 

【2006.12.02】
風光明媚(ふうこうめいび)

山水が美しく魅力あふれる

 山水の姿が美しく人の心を引くこと。

 よく使われる語だが、4字の熟語としての古い用例はないようだ。

 「風光」は、もとは風と光を意味した。六朝の謝兆(しゃちょう)に「風光草際そうさいに浮かぶ」(草の上に風が吹き光が当たる)という名句がある。それが景色の意に転じ、白楽天は「風光歩(ほ)を引き酒顔を開く」(よい景色が人の歩みを誘い、酒が顔をほころばせる)と詠(うた)う。

 「明媚」は、あざやかに美しい。媚には、人を引きつける意がある。宋の山水画家の李成(りせい)の文に「春山は明媚、夏木は繁陰(はんいん)」(春の山はあざやかに美しく、夏の木はこんもり陰を作る)と形容する。

 山水を彩る明媚な風光の楽しみは終わりがない。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 


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