minyu-net

 
 
四字熟語TOP
漢字の世界292

 

【2006.12.30】
櫛風沐雨(しっぷうもくう)

風雨にさらされ苦労する

 風雨にさらされて苦労すること。「風に櫛(くしけず)り雨に沐(もく)す」と読む。風で髪をくしけずり、雨で湯あみすること。「沐」は髪を洗うことが本来の意味だが、「沐浴(髪や体を洗うこと)と同じ意味でいう。外へ出て苦労する喩たとえ。
 謝霊運の文に「櫛風沐雨、露を犯し星に乗じょうず」(風に髪をくしけずり雨に体を洗い、朝の露に濡ぬれ、夜の星明かりを頼りにする)と、山荘の場所を選ぶために山野の自然を歩き回って苦労したことを述べている。
 謝霊運の場合は東晋王朝の大貴族の出身であったから、山荘地選びの苦労にも風流な趣がただよう。
 普通この語は、武者修行や放浪生活などの場面によく使われ、文字通り風呂にも入れぬ苦労を形容する。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 



〒960-8648 福島県福島市柳町4の29
ネットワーク上の著作権(日本新聞協会)
国内外のニュースは共同通信社の配信を受けています。

このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。copyright(c) 2001-2004 THE FUKUSHIMA MINYU SHIMBUN