【8月14日付編集日記】宇宙からの視点

 

 江戸時代に活躍した会津農学の先駆者佐瀬与次右衛門は、「をこたらず作りの場を見て廻れ 先だつ事を励む為也」と詠み、農家の心得を説いている。田畑を見回り、農産物の管理に心を砕く農家の姿は時代を超えて受け継がれている

 ▼与次右衛門は著書「会津農書」で多彩な稲作技術を記している。天気の変化に応じた田んぼの水調整、稲の生育に合わせた肥料の配分など技術の項目は多く昔から農家は忙しかったことが伝わる

 ▼県は今月、人工衛星で撮影した田んぼの画像を使った稲の生育管理システムの試験画像を公開した。人手不足の農家を支援するため、県と航空測量会社が連携、衛星画像を分析し農家の田んぼ管理に活用してもらう

 ▼システムでは画像の稲の色などを解析し、田んぼを稲の生育状態別のエリアに分けて表示する。肥料の追加場所や稲刈り時期推定などに役立てコメの品質向上を図るほか、画像をスマートフォンなどで確認し、田んぼ見回りの省力化につなげる

 ▼システムは来年度の完成を目標に県内2カ所を拠点に開発が進む。農家が汗を流す田んぼの管理に宇宙からの視点を組み入れることができれば、本県の良質なコメ作りの技術は、さらに磨きがかかる。