【8月17日付編集日記】小林栄記念館

 

 偉人の功績は、語り継ぐ意志を持った人たちと、関連する品々を集めた場がつくられることにより後世に引き継がれていく。本県が誇る「医聖」野口英世の生涯は、猪苗代町の野口英世記念館でたどることができる

 ▼記念館創設に尽力したのは、若き日の英世を学問の道に導いた恩師の小林栄だった。小林は一生を研究にささげた英世の没後に「野口英世を手本として第二、第三の野口を世に出そう」と記念館建設に動いた。記念館は1939年に開所するが、小林は落成を見届けるように翌年永眠した

 ▼野口英世記念館からほど近い町内に、小林の業績を紹介する記念館が開所した。有志による顕彰会が運営し、改装した小林家の蔵や家屋に英世と交わした書簡などの資料を展示している

 ▼会津藩の武士の家に生まれた小林は、戊辰戦争からの復興を志し教師の道を選んだ。小学校や自ら設立した私立猪苗代日新館などで、地域を担う人材の育成に汗を流した

 ▼記念館の展示からは、教育分野の他にも営農指導や文化振興など幅広い分野で活躍した小林の足跡が浮かび上がってくる。毎週日曜の開館日には、地元ボランティアが来場者を迎える。偉人の生きざまが次世代に伝えられている。