【10月8日付編集日記】ドリームピアノ

 

 書棚を前にして、店主と読書談議や値引きの交渉を楽しむ。地方では個人経営の小さな古書店を見かけることが少なくなった。寂しい思いをしている本好きも多いのではないか

 ▼お目当ての本を探し出すのはもちろん楽しいが、偶然の出合いも古書店の醍醐味(だいごみ)の一つだろう。書棚に長く埋もれていたような本にふと目が留まる。気になって手に取ってみると、思いもしなかった新しい世界につながっていることがある

 ▼東北道下り線の安積パーキングエリア(PA)に、誰でも自由に弾くことができる「ドリームピアノ」が設置された。東日本のPAやサービスエリアにピアノが常設されるのは初めてだ

 ▼同PAは県外からの利用客が多く、ピアノを設置した郡山市音楽の日実行委は市の音楽のまちづくりのPR役を期待している。同様にピアノを設置した同市のデパートでは、子どもが習いたての曲を弾いたり、高齢者がビートルズを奏でたりする姿が見られるという

 ▼同PAのピアノは、都内在住の夫婦が「高齢になり弾かなくなり、物置に眠っていたピアノを多くの人に弾いてほしい」と寄託したという。新たな居場所を得た楽器が人と音楽を結び付けながら、「楽都郡山」を彩る。