【10月10日付編集日記】姫ます寿司

 

 ガタゴトと揺られながら駅弁をほおばる。鉄道の旅につきものの風景だ。列車がスピードアップし様変わりしているところはあるが、全国の駅弁を集めたイベントは各地で開かれ人気は健在だ

 ▼土釜に入った駅弁で知られる「峠の釜めし」。かつて、五木寛之さんはエッセー「さらば横川の釜飯弁当」で、「パブロフの犬のように横川で列車がとまるとホームに降りていったものである」と記し、文化遺産というべきと絶賛している

 ▼金山町観光物産協会が、県内では同町の沼沢湖にのみ生息する特産のヒメマスを使った押しずし「姫ます寿司(ずし)」を約8年ぶりに復活させる。東京電力福島第1原発事故の影響で販売数がごくわずかだった名物弁当に、新しい命を吹き込む

 ▼復活する姫ます寿司は、味付けや素材を改良する。同町と縁が深い作家の椎名誠さんが担当した題字入りのパッケージデザインにも工夫を加えて、魅力をアップさせるという

 ▼販売は26日から来年2月末までの期間、JR只見線の会津川口駅売店で1日20~30個を限定販売する。只見線は2021年度の全線再開通へ復旧作業が進む。車内で食べても町内を散策した後に味わってもいい。只見線の魅力がまた一つ増える。