【10月12日付編集日記】台風19号

 

 「台風は当然来るものだという覚悟をきめ、それに対する万全の備えをしなくてはならない」。パナソニック創業者の松下幸之助氏は、1976年の著書「新国土創成論」(PHP研究所)で、台風の通過を「宿命」と捉え、防災の大切さを指摘する

 ▼松下氏は台風が避けられないならば、一歩進めて台風を「活用する方法」を考えるべきだと述べる。大量の雨を蓄えて水力発電などに役立てたらどうかと提言した。しかし、氏の指摘から40年が経過しても、人間の科学は台風を活用する段階には至っていない

 ▼大型で非常に強い台風19号が接近している。気象庁によると、勢力を保ったままで本州に上陸し、東北地方に進んでくることが予想される。本県では、12日の昼ごろから大雨となり、時間がたつにつれて風も強くなる

 ▼県内全域で「何かにつかまっていないと立っていられない」状態になる、最大風速20メートルの風が吹く可能性がある。崖崩れや河川の増水などにも注意が必要になる

 ▼自治体では、本格的に風雨が強まる前の早めの備え、早めの避難を呼び掛けている。自分だけは大丈夫と思い込むことなく、できる限りの準備を重ねることで自然の猛威と向き合い、被害を防ぎたい。