【11月10日付編集日記】県議選きょう投票

 

 ウトヤ島。ノルウェーにあるこの小島を覚えているだろうか。その「事件」が起きたのは東日本大震災と同じ2011年の7月22日

 ▼その日、ウトヤ島では政党青年部の集会が行われており、多くの若者が政治を学んでいた。そこに極右思想を持つ男が侵入し銃を乱射、島内で69人の若者らが殺害された

 ▼このウトヤ島はいまどうなっているか。これほどの陰惨な事件の現場だが、いまはむしろ民主主義を語る上で欠かせない場所になっている。子どもたちを対象とした民主主義の講座が、この島で定期的に開かれるからだ。子どもたちは、同年代の少年少女が虐殺されたその場所で、民主主義の価値とそれを守るためには何をすればいいかを学び、議論する

 ▼民主主義を考えるとき、このウトヤ島の悲劇とノルウェー社会の強さを忘れることはできない。民主主義は与えられるものでも不滅のものでもない。私たち自身が守り、学び、育てなければならない

 ▼その一歩が投票権の行使だ。きょうは県議選投票日。有権者の背中を、未来の有権者である子どもたちが見ている。ウトヤ島のような悲劇を決して起こさない民主主義社会を子どもたちに残すためにまずは投票に行くことが大切だ。