【11月12日付編集日記】新県議決まる

 

 「有声の声は百里に過ぎず、無声の声は四海に施す」という言葉がある。前漢の時代にまとめられた中国古典「淮南子(えなんじ)」で、理想とする政治の在り方を示す例えとして使われている

 ▼実際に人が発する声はどのように大きく叫んだとしても、百里の距離には届かない。しかし、人に影響を与えるような徳のある政治は、「声なき声」となって社会の隅々まで広がっていくという意味だ

 ▼10日に投開票された第19回県議選で、今後4年間の県政運営をチェックする58人の議員が決まった。県議会史上で最多に並ぶ当選9回となったベテランから、議会に新風を吹き込む新人まで、さまざまな顔ぶれがそろった

 ▼県議会は、年に4回開かれる定例会などで県の予算案や事業を審議するほか、条例や意見書などを可決する。議場などで交わされる議論は、県民にはあまりなじみ深いものではないかもしれないが、県の方向性を決める重要な役割を果たしている

 ▼当選した県議たちは、それぞれの選挙区を細かく歩く中で多様な有権者の思いを受け止めてきたはずだ。託された1票の重みを忘れることなく、より良いふるさとづくりが広がっていくような心の通った政治を県議会から発信してほしい。