【11月15日付編集日記】会津身不知柿

 

 柿の学名はディオスピロス。ギリシャ語で「神の食べ物」という意味だ。会津の冬の特産といえば会津身不知(みしらず)柿だが、将軍献上の際に「いまだかかる美味の柿を知らず」と称賛されたことが名の由来になったとの説がある

 ▼名の由来には諸説あり、美味ゆえに「わが身も考えず食べ過ぎてしまう」ことから付いたともいわれる。いずれにせよ、味のほどがうかがえる

 ▼会津身不知柿は海外での人気も高まっている。東南アジアの高級スーパーや百貨店では高級果物として扱われ、会津みしらず柿販路拡大促進協議会は今季、タイ、マレーシアに約5・5トンを出荷する方針。輸出は2008年度にタイと香港向けに始まり、震災で中断したが、16年度に再開された

 ▼一方、輸出は苦労も伴う。船便の場合、現地到着までに果実軟化や黒変が起きやすい。そこで同協議会は、出荷前に炭酸ガスで脱渋する方式から箱の中に固形アルコールを入れて運搬中に脱渋する方式に改め、効果を検証している

 ▼昨季は夏の高温渇水が影響し柿がそろわず1・5トンの輸出にとどまったが、今季は実が大きい柿がそろった。会津身不知柿のおいしさが海外の人々を魅了し、日本を代表する果物になることを願う。