【11月18日付編集日記】おきあがりこぼしプロジェクト

 

 スペインにあるコリア・デル・リオという街には、日本を意味する「ハポン」という姓を持つ人たちがいる。江戸時代に伊達政宗が欧州に派遣した使節団のうち、現地に残ることにした人たちの子孫という

 ▼使節出発の2年前には東北を大津波が襲ったとの記録が残る。東日本大震災のちょうど400年前のことだ。使節の派遣は、貿易を拡大することで津波の被害からの復興を進めることが狙いだったとの見方もある

 ▼国内外のアーティストなどが絵や装飾を施した起き上がり小法師(こぼし)を集めた企画展「おきあがりこぼしプロジェクト 福島・伊達展」が伊達市の梁川美術館で開かれている。倒れてもまたすぐに起き上がる小法師の姿に復興への思いを託した

 ▼会場には漫画家の松本零士さんらが自身のキャラクターを描いた作品や、フランスの俳優ジャン・レノさんの作品などが並ぶ。スペインのコーナーには、大学教授のハポンさんや芸術家のハポンさんの作品もある

 ▼会津の縁起物、小法師は家族の数より一つ多く買うのがならわしだ。企画展の小法師は約200体。国内外にこれだけ多くの仲間がいれば、震災と原発事故から、台風19号から、必ずもう一度立ち上がることができる。