【5月15日付編集日記】安い日本

 

 案の定といったところか。大型連休の人出が全国主要都市の9割近くで前年より減った。円安による物価高で、節約意識が高まったことなどが影響したとみられる。コロナ禍明け初の大型連休で、天候に恵まれたという好材料があっても財布のひもは固かった

 ▼海外旅行はアジアなどの近場に人気が集まった。あるテレビ番組では、日本から米や食材を大量に現地に持ち込み、節約してハワイ旅行を楽しんだ家族が紹介されていた

 ▼一時1ドル160円台を付けたとき、同級生らと為替の話になった。1人が在学時は240円前後だったと数字を出してきた。卒業旅行先を海外にした友人も多かったが、円安の厳しさはさほど感じなかったようだ。現地の物価も安かったせいだろうということで落ち着いた

 ▼物価高に賃金が追いつかない状態が止まらない。実質賃金は24カ月連続で前年同月比マイナスとなり、過去最長を更新した。一方で円安を背景に外国人観光客は増え、ホテルなどの宿泊料を押し上げている

 ▼インバウンド需要が伸びて、経済が活気づくのはありがたいこと。ただ、日本が買いたたかれているようにも思えてしまう。果たして健全な状態かといえば、どうも違う気がする。