【5月16日付編集日記】タクト

 

 音楽家のベルナー・テーリヒェンは、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団でティンパニの首席奏者を長く務めた。フルトベングラーとカラヤンという2人の名指揮者に仕え、それぞれと多くの演奏に臨んだ

 ▼フルトベングラーは作品をじっくり自分のものとし、そこに団員を引き込む芸術家。一方のカラヤンは団員の目の前で作品を組み立てる、モダンな音響監督タイプだった。奏でる音楽も大きく違って、いずれにも熱心なファンが付いた。テーリヒェンは芸術家の方が性に合ったらしい

 ▼サッカーJ2のいわきFCは前節こそ敗れたものの、現在7位。苦しみながら残留した昨季から一変、プレーオフを狙える位置にいる。昨季途中から現場に復帰した田村雄三監督の戦術が、チームに浸透してきているのだろう

 ▼大型連休に行われた千葉戦は、早々にチケットが完売。満員札止めのハワイアンズスタジアムで、昨年の昇格から初めてとなる3連勝を成し遂げた

 ▼J1では、昨季J2優勝の町田が首位争いを展開している。その舞台に来年、いわきが躍り出ることができるかはこれからが勝負だ。監督のタクトと選手のプレーの織りなすハーモニーを最終盤までじっくりと堪能したい。