【5月21日付編集日記】節目に祝う

 

 心温まる祝宴に出合った。郡山市の企業の70周年。地域に雇用を生み出し、スポーツや文化、奉仕事業、地域づくりなどで地元に還元してきた老舗企業である

 ▼支えてくれた皆さんには感謝しきれない―と客人を多数招いた祝宴では祝儀を全て辞退しつつ、料理も余興も手は抜かない。結びは役員と従業員が総出で出口に並び、満面の笑みで見送って社外へ謝意を発信した

 ▼宴席では従業員の席もしっかり設けられ、役員が卓を回って気遣いをみせた。両者間の敷居の低さが分かる。祝うべき節目には企業を支える従業員にきちんと社の思いを伝える。内側へのメッセージにも感服した

 ▼対して当地・郡山市の周年記念は、ぼやけて盛り上がりに欠くという指摘がある。従来の民間行事に市が「市制施行100周年」の冠を多数認めたわりに、「市政施行」と誤記する人も。市民の認知は進んだのか

 ▼市の看板を掲げて自治を進めた主役は市役所ではない。市民である。広く市内外から集まる人と金が商都をつくった。近隣市町村への感謝も忘れるわけにいかない。外には何を発信し、内なる人々は節目に何を確かめ合うか。9月1日の「誕生日」に向け、原点を改めて考えることが肝心だ。