【7月22日付社説】参院選・与党改選過半数/信任におごらず政権運営を

 

 第25回参院選は自民、公明の与党が改選124議席の過半数を制し勝利した。

 与党による政治の安定か、野党が求める変化かが問われた中、有権者は6年半余にわたり続く安倍政権を選択した。ただ、この結果は政権運営の全てを「白紙委任」されたわけではない。変化を求める民意が一定程度あることは、立憲民主党が議席を大幅に増やしたことからも見て取れる。

 安倍政権は有権者の信任の重みを謙虚に受け止め、おごらず施策を実行することが求められる。

 有権者が最も関心を寄せた政策課題は社会保障制度だ。とりわけ、老後資金2千万円問題に端を発した年金の在り方が争点となった。年金は老後の生活を支える大きな柱だ。しかし、財源や制度設計について十分に論議が深まったかといえば、物足りなさが残ったことは事実だ。

 与党は今の制度で持続可能だとしているが、「人生100年時代」を見据えた社会保障の制度構築に向けて国会でしっかり議論してもらいたい。

 安倍政権は10月に消費税率を10%に引き上げることを掲げている。これを財源に幼児教育・保育の無償化、低年金者への給付拡充を打ち出している。安倍晋三首相は「今後10年ぐらいの間は上げる必要はないと思っている」としているが、人口減少が進む中で将来にわたり税率を維持しながら財政健全化を図ることができるのか。全ての年齢層の人たちが希望の持てる社会の構築に腰を据えて取り組むことが肝要だ。

 焦点となっていた憲法改正については、今後、国会の憲法審査会で審議していくことになるが、与野党で丁寧に議論していく必要があろう。

 人口の東京一極集中の是正など将来を見据えた地方創生の議論は低調に終わった。国の行く末を左右する大きな課題である。目に見える成果が上がっているとは言えない中、国と地方が固く手を取り合うことのできる実効性ある施策が必要だ。

 福島選挙区は自民党現職の森雅子氏が知名度と組織力を生かし、野党統一候補で無所属新人の水野さち子氏との事実上の一騎打ちを制した。

 本県は、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から8年余りが過ぎたものの、復興は道半ばだ。地域コミュニティーの再生など復興の進度は地域によって差が出ている。復興推進に与党、野党の区別はない。しっかりと向き合ってほしい。