【8月16日付社説】五輪の交通対策/準備重ね円滑な移動実現を

 

 記憶に残るスポーツの祭典が県民生活と調和した形で行われるよう、着実に準備を進めていくことが欠かせない。

 本県で行われる2020年東京五輪の野球、ソフトボール競技を巡り、競技会場となるあづま球場(福島市)への関係者や観客の交通輸送、会場周辺の交通規制などの対策の概要が固まった。大会組織委員会や県などでつくる県輸送連絡調整会議が明らかにした。

 交通輸送では、JR福島駅とあづま球場を結ぶ二つのルートを設定する。選手ら大会関係者を乗せる専用車両は、国道115号を通行する。観客向けには、県道福島微温湯線を通って駅と球場を往復するシャトルバスを運行する。

 バスなどの運行は、ソフトボールが行われる来年7月22、23日と、野球が行われる同29日の計3日間、実施する。なかでもソフトボール競技は、同24日の五輪開会式に先立って行われ、実質的な東京五輪の開幕として世界から注目を集めることになる。大会組織委と県には、安全で確実な輸送を実現することで、円滑な大会運営のスタートを切ってもらいたい。

 会場周辺の交通規制は、三つのエリアに分けて行われる。球場を含むあづま総合運動公園の敷地内は、大会関係者以外の車両を通行させない区域とする。公園周辺の地域では、住民や勤務先がある人の移動を除き、警備員を配置して車両の通行を規制する。公園周辺に通じる道路や交差点がある地域は、看板などを設置して回り道を呼び掛けるエリアとする。

 県によると、交通規制は、競技のおおむね2時間前から開始することを見込んでいる。午前から試合が始まるソフトボールの場合には通勤時間帯と重なり、渋滞を緩和するためには時差通勤を企業に依頼することも想定しなければならない。大会組織委と県には、住民や関係する企業へ丁寧に規制方針を説明し、運用に向けた万全の体制を講じることを求めたい。

 自家用車で本県入りする観客には、福島市内の3カ所に臨時駐車場を設け、シャトルバスに乗り換えて会場に移動してもらう「パーク&バスライド」を実施する予定だ。東北各県や関東圏などから訪れる観客への周知についても、検討を重ねる必要がある。

 県は現在、球場周辺に県産品を購入したり、飲食したりすることができるコーナーの設置を大会組織委と調整している。本県を訪れる人に競技観戦と快適な移動、県産品の魅力をセットで思い出としてもらうような「おもてなし」の工夫を凝らしていきたい。