【8月17日付社説】相馬福島道路/最大限に生かす取り組みを 

 

 高速道路網を地域づくりにしっかりと生かしていくことが求められる。

 東北中央道の相馬福島道路(延長約45キロ)が2020年度内に全線開通する見通しとなった。開通時期が示されていなかった仮称・福島保原線―国道4号インターチェンジ(IC)間が完成するめどが立ったことによるものだ。

 東日本大震災前は霊山IC以西などの事業化が長く見送られてきた。震災を経て、浜通りの被災地と内陸部の連携を強化する復興支援道路に位置づけられたことで、復興期間の20年度までの完成に向け、整備の進行が格段に早まったという経緯がある。復興のさらなる加速に役立てていきたい。

 浜通りと中通りの北部を結ぶ国道115号は道幅が狭く、急カーブと急勾配が多い。雪などによる通行止めも度々ある交通の難所で、相馬地方にとって企業誘致などを進める上での大きな壁となっていた。

 相馬福島道路の整備の本格化を受け、鉄鋼物流会社が常磐道、相馬福島道路を通じて東北各地へのアクセスが容易となる相馬港に物流拠点を設けるなど企業進出の動きがみられる。県や沿線市町村は同港と道路網を前面に出して企業の誘致を進めることが重要だ。

 相馬福島道路は全線の6割に当たる相馬山上IC―霊山IC間(延長約27.5キロ)が既に開通している。国土交通省東北地方整備局によると、同区間の開通で大型連休中の県北地方から相馬地方への人の流れは約1・5倍、相馬地方から県北地方への流れも約1.3倍に増えている。

 相馬福島道路を含む東北中央道では、東北道と接続する福島ジャンクション―山形上山IC間が4月までに順次開通し山形道とつながった。相馬福島道路が開通すれば、東北、東北中央、常磐、山形の各高速道がつながり、隣県を含めた人の流れはさらに増えると見込まれる。行政や、観光などの関係団体は本県を通過点とすることなく、目的地としてもらえるような取り組みを充実させてほしい。

 相馬地方の重篤な患者の7割超は福島医大病院など福島市に搬送されている。相馬福島道路は相馬地方にとっては文字通り命綱となる存在だ。相馬地方消防本部によると、道路の一部開通により同病院と相馬市間の所要時間は約20分短縮された。来春の相馬IC―相馬山上間(延長約6キロ)の開通でさらに搬送がスムーズとなる。円滑な交通を常に確保することで一人でも多くの人命救助に役立てることが大切だ。