【10月8日付社説】臨床研修医/施策充実させ確保と定着を

 

 意欲ある若手医師の確保、定着へ研修環境を充実させ、本県の医師不足解消につなげていきたい。

 日本医師会などでつくる医師臨床研修マッチング協議会の中間報告によると、県内の病院を来年度からの卒後臨床研修先の「1位希望」に選んだ学生は96人だった。前年より17人減り、定員に占める割合は6割弱にとどまった。

 県は研修医確保に向け、各病院と連携し医学生に対する合同説明会を開いている。また、地域医療への関心を高めるため、医学生を対象にへき地診療所などの視察や医師との懇談、地域住民との交流といった事業を行い、本県の研修環境をアピールしている。

 1人でも多くの研修医が本県の病院を希望し地域医療に力を尽くしたいと思う動機付けになるよう、県は年間を通した施策に、より知恵を絞っていくことが重要だ。

 卒後臨床研修は、医学部生に卒業後2年間、各診療科での研修を義務付ける制度で、県内では18病院が受け入れ先になっている。

 今回の中間報告の希望先をみると、定員と同数、または定員を上回る1位希望者がいた病院は前年から一つ増えて7病院だった。一方で定員に満たなかったり、1位希望者が1人もいなかったりする病院があるなど格差は解消されていない。受け入れ先は調整の上、今月中旬に決まる。

 県によると、2014年度から17年度をみると、2年間の研修後、約7割を超える医師が県内にとどまり専門研修を行っている。研修医が「続けて働きたい」と感じる研修プログラムを磨くことは医師の定着につながる。各病院が工夫を凝らし、受け入れ態勢の充実を図っていくことは不可欠だ。

 厚生労働省が医師の充足状況を数値化した医師偏在指標で、本県は「医師少数県」となった。複数の市町村を単位とする2次医療圏別では相双、県南、会津・南会津が少数区域に指定された。産科医は全国で下位から3番目の45位、小児科医は36位だった。

 地域医療の維持、充実を図るため県は、公的医療機関に一定期間勤務すると返済が免除される奨学金制度を設け、医師の定着化を図っている。産婦人科、小児科をめぐっては16年に開設した「ふくしま子ども・女性医療支援センター」が医師の養成や医療支援などに取り組んでいる。さらに充実させていくことが求められる。

 県は医師確保計画の策定を進めている。県民の健康を守る医療環境の充実へ、中長期的な地域医療はどうあるべきか。議論を尽くしてもらいたい。