【10月11日付社説】減塩の推進/健康づくりへ知識深めよう

 

 人の体に及ぼす塩分の作用を知り、健康づくりに役立てていくことが大切だ。

 本県の1日当たりの塩分の摂取量は男性11.9グラム、女性9.9グラムで、全国平均の男性10.8グラム、女性9.2グラムを上回っている。都道府県別では男女ともワースト2位で、いずれも国が目標とする基準を超えている。塩分を取り過ぎると、血液中にナトリウムが増える。血液のナトリウムの濃度を下げるために血液の量が増えることが高血圧の要因となる。

 本県の特定健診の受診者(40~74歳)で、高血圧症の治療薬を服用している人の割合は、男性28.2%で全国ワースト3位、女性23.0%の同4位だ。高血圧が続くと、動脈が硬く、厚くなり、脳梗塞や心筋梗塞などの原因になる。本県にとって、減塩は急いで解決しなければならない重要課題だ。

 福島医大の大平哲也教授(疫学)は、特定健診でメタボリック症候群に該当する県民の割合が高いことを挙げ、塩分摂取量が多いのは「食べる量が多いため」と指摘する。食事の量が増えれば、たとえ薄味でも塩分の量は増えると注意を促す。また、本県は煮しめなど食が進みやすい甘じょっぱい味や濃い味付けが好まれる傾向があり、食事の量が増える原因となっているという。

 塩分摂取量を減らす方法として、香味野菜や塩を使っていない香辛料を使うことや、だしをよく効かせることなどが知られている。これに加えて、食事を適量に抑えることも心掛けたい。

 本県は全国平均よりも総菜など調理食品の購入額が多い。これを受けて、県は協力スーパーなどに対し、塩分を減らした総菜や弁当の販売を促している。県などには減塩に配慮した食事をとる機会を自然に増やす取り組みをさらに進めていくことが求められる。

 郡山女子大の菊池節子教授(調理科学)によると、100ミリリットルのみそ汁にホウレン草やジャガイモ、キノコ類などを50グラム程度入れると、具材に含まれるカリウムが体内のナトリウムを排出する効果が期待できる。会津の伝統的な汁物「こづゆ」も多くの具材が含まれ、同様の効果があるという。県内の大学や栄養士が蓄積している、減塩や健康づくりに役立つ知識の共有を進めていくことが重要だ。

 福島医大と福島民友新聞社は12日、福島市のエスパル福島で「減塩サミット2019in福島」を開く。講演や実践報告、パネルディスカッションが行われる。減塩に対する知識を身に付けるために役立ててほしい。