【10月12日付社説】昭和かすみ草振興/ブランド力高め需要拡大を

 

 広域連携の強みを最大限に生かし、「昭和かすみ草」のブランド力を高めていきたい。

 昭和かすみ草の産地の昭和、柳津、三島、金山の4町村とJA会津よつば、同JAかすみ草部会が昭和かすみ草振興協議会を設立した。本県産のカスミソウは夏から秋にかけての出荷量が日本一だ。昭和村を中心に柳津、三島の3町村の生産者でつくる同JA部会は昨年度、約380万本を出荷し、販売額は約4億5千万円に上る。

 昭和かすみ草は収穫後、全量が同村の「雪室」と呼ばれる予冷施設に運び込まれる。雪で冷やしているため乾燥しにくく、みずみずしいまま出荷できる。今後、雪室の予冷庫を増設する計画だ。

 協議会ができたことで4町村とJAが、仙台から沖縄まで全国にまたがる出荷先の市場などで、合同のトップセールスを展開することができる。協議会が一丸となって出荷体制の整備、販売力の強化に取り組み、産地振興につなげていってもらいたい。

 生産農家が抱える大きな課題は高齢化だ。同JA部会の生産者数は最も多い昭和村が57人で、3町村合わせて79人。60代以上が多く、生産力を高めていく上でも就農者の確保は急務だ。

 昭和村は、2017年度から新規就農者の確保策として「かすみの学校」に取り組んでいる。同村に宿泊してカスミソウについて理解してもらい、就農につなげていく事業で、本年度は学校を体験した20代の若者3人がカスミソウ生産に従事している。同村が持つ生産者確保のノウハウを他の3町が共有し、生産者を増やしていくことが重要だ。

 同協議会は、昭和かすみ草の名称で、食品ブランドを守る農林水産省の地理的表示(GI)保護制度の登録を目指している。すでに申請は済ませている。登録されれば「GIマーク」を使うことができ、他産地との差別化を図ることができる。来年の出荷に向け需要拡大の弾みとしたい。

 カスミソウは花束やウエディングブーケなどのほか、葬儀にも使われている。同協議会は出産、結婚祝い、バレンタインデーなど日常のさまざまな場面で使ってもらう機会を増やすことで消費拡大につなげたい考えだ。

 本県産のカスミソウの出荷は夏から秋にかけてで、冬期間は主に和歌山、熊本など温暖な地域からの出荷が多くなる。同協議会には他の主要産地と連携し、1年を通した需要を掘り起こし、カスミソウの認知度をさらに高めていくことが求められる。