【10月18日付社説】台風19号・生活の再建/住まい確保にスピード感を

 

 台風19号からの復旧復興を確かなものとするため、行政が先手先手で対策を講じることが重要だ。

 県内では、台風に伴う大雨で阿武隈川などの河川が氾濫し、家屋に多くの被害が出ている。県のまとめでは、全壊や一部損壊した家屋は200棟を超え、浸水した家屋は2300棟以上に及ぶ。この数字は、確認ができた範囲にとどまっており、実際にはより多くの被害が出ていることが確実だ。

 住まいの確保は、被災者の生活再建に向けた第一歩となる。県は、県営住宅と復興公営住宅のうち、空き室となっている400戸の無償提供を決めた。ただ、今月中をめどに入居受け付けを開始するというスケジュール感は遅いのではないか。一日も早い入居ができるよう迅速な対応を求めたい。

 被災家屋の数をみれば、さらなる住居の確保が求められることは明らかだ。現在、東日本大震災後に造られ、まだ壊されていない仮設住宅の活用が検討されている。それでも不足するようであれば、民間アパートなどを仮設住宅とする「みなし仮設」制度の適用も視野に入れる必要があるだろう。

 浸水した被災地では、ぬれて使えなくなってしまった家財道具などの「災害ごみ」の処分が課題になっている。運び込む場所がないため災害ごみが住宅周辺に置かれたままになってしまえば、移動やインフラ復旧に支障があるばかりではなく、悪臭などの衛生上の問題が生じることが懸念される。

 環境省は、台風19号の災害ごみの完全な処理には数年かかるとの見方を示している。国と県、市町村がスクラムを組み、災害ごみを集積する「仮置き場」の確保を進め、生活空間からの廃棄物の運び出しや処理を急ぐことが求められる。郡山市のように浸水で処理施設が停止してしまっている地域では、広域的なごみ処分の枠組みをつくるための調整も重要となる。

 断水の解消も急がれる。いわき市では、平浄水場が被災した影響で大規模な断水が発生している。浄水場の施設を修理し、給水を完全に復活させるまでには時間がかかる。南相馬市などでも、給水管の破損などによって水の供給ができない状況が続いている。

 医療機関などに対しては自衛隊などによる給水が行われているが、大部分の断水地域では、給水車の配置などで対応しているのが現状だ。断水が原因で再開することができない学校や公共施設もある。県には、国や関係機関の支援を積極的に呼び込み、断水地域での給水機能の回復を後押ししてもらいたい。