【10月19日付社説】台風19号・上陸から1週間/復旧へ官民の力合わせよう

 

 大きな被害をもたらした台風19号の上陸から1週間たった。福島民友新聞社のまとめによると、本県では30人が犠牲となった。浸水した農地や工場が多く、産業への被害も甚大になると予想される。復旧に向け、行政と民間が力を合わせていくことが何より大切だ。

 被害の把握が進み、被災地からは「片付けをする人の手が足りない」との声が聞かれ始めている。被災者には高齢者もおり、自分だけで家を片付けるのは難しい人もいる。ボランティアによる支援は不可欠だ。

 県社会福祉協議会のホームページには、ボランティアを必要としている市町村の窓口や募集対象、ボランティアに入る際の注意点などが掲載されている。事前に情報を集めた上で被災地に向かってほしい。

 被災地には断水が続いているところもある。水や食料などを事前に用意するなどして、被災地に迷惑を掛けないよう心掛けたい。

 家の片付けなどの際には、たとえ泥をかぶっていても所有者にとっては大事な物だということもある。「このごみは捨ててもいいですか」などと不用意に言わないよう心配りも必要だ。

 東日本大震災ではボランティア志願者に対応しきれず受け付けを途中で中止したところがあったほか、被災者の需要とのミスマッチもみられた。社会福祉協議会などボランティアを受け入れる側は、志願者の善意を最大限生かせるよう、被災者のニーズ把握に努めてほしい。

 安倍晋三首相は17日に来県し、被災地を視察した。安倍首相は「できることはすべてやるという基本方針の下、救助、ライフラインの復旧、被災者の生活支援に取り組む」と、国を挙げて災害対応を進める考えを示した。

 浜通りの自治体によると、災害時には「人工透析のために水が何トン必要だ」など、国や県への要望を具体的にすることで支援がスムーズに受けられることが多いという。市町村は自分たちでできることとできないことを整理し、的確な支援が受けられるようにしていくことが重要だ。

 福島地方気象台によると、きょうの県内は前線や低気圧の影響で激しい雨となる見込みだ。台風の影響で地盤が緩んでおり、少ない雨でも土砂災害や洪水の危険度が高まる。南相馬市ではきのう、雨の影響で再び避難指示が出されるなど新たな被害が懸念される状況だ。これ以上の被害は避けなければならない。被災地にいる人は安全を第一に行動してほしい。