【10月22日付社説】きょう即位の礼/心つなぐ象徴であり続けて

 

 天皇陛下即位に伴う主要な儀式の一つ「即位礼正殿(せいでん)の儀」がきょう行われ、陛下が国内外の賓客を前に即位を宣言される。

 陛下は8月に行われた全国戦没者追悼式で、戦後の平和が続いたことに触れ、「深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬこと」を切に願うと述べられた。上皇さまが戦後70年の追悼式から毎年使っていた「深い反省」の文言を踏襲し、平和を希求する姿勢を示された。

 陛下は59歳で戦後生まれの初めての天皇となられた。英国への留学や30カ国を超える親善訪問など海外での経験も豊かだ。正殿の儀にあたり、各国要人が来日している。陛下の平和を大切にされるお気持ちと優れた国際感覚が日本と各国の友好親善を深めるきっかけとなることを願う。

 平成の時代は阪神・淡路大震災や東日本大震災など大きな災害が相次いだ。皇太子時代の陛下は震災と東京電力福島第1原発事故後の本県を3度訪問されている。避難所で被災者に声を掛けられたり、原発事故を受けて広野町に新設されたふたば未来学園高の生徒たちの様子を視察されたりして、災害に苦しむ人に寄り添う姿勢を大事にされてきた。

 陛下は皇太子時代に、「国民と接する機会を広く持つよう心掛けてきた。こうしたことは、今後とも自分の活動の大きな柱として大切にしていきたい」と述べられている。今後も被災地訪問などの活動に力を入れられることだろう。

 被災地の訪問は、上皇さまが天皇在位時に精力的に取り組まれてきた活動だ。皇室の活動の中でも国民の支持が高い活動の一つだろう。被災地に上皇さまをはじめとする皇族が訪れることで被災者は強く勇気づけられた。令和の時代も陛下の心配りが被災地の心の支えとなる。

 当初は正殿の儀とともに、都内でパレードが行われる予定だったが、政府は台風19号の被害が甚大であることを考慮し、11月10日に延期した。被災地の現状をみれば、判断は妥当だろう。

 陛下はブラジルで昨年開かれた世界水フォーラム「水と災害」で基調講演されるなど、水と災害に関わるテーマへの関心、造詣が深い。陛下の研究の指南役を務めている、元建設省福島河川国道事務所長で政策研究大学院大学教授の広木謙三さんは「台風19号の大きな被害にはお心を痛めているだろう」と陛下のお気持ちを推測する。

 本県の被害の復旧、復興を着実に進めていきたい。