【11月9日付社説】県議選あす投票/責任ある論戦で審判を仰げ

 

 任期満了に伴う第19回県議選はあす、投票日を迎える。

 選挙戦は最終盤だ。今回の選挙で選出される県議の任期中には、県が2021年度から10年間の県政運営の指針となる新たな「県総合計画」を策定する。県政をチェックする県議会の役割はよりいっそう重要さを増す。各陣営は、県の将来を切り開いていくような論戦を尽くすことで、県民の審判を仰いでもらいたい。

 全19選挙区の58議席を争う県議選には75人が立候補し、9選挙区で無投票となった。実戦入りした10選挙区では、43議席を巡り60人が告示から舌戦を展開している。

 県政の喫緊の課題は、大きな被害をもたらした台風19号からの復旧だ。県のまとめでは、農林水産業の被害だけで600億円を超えている。住宅や工業団地、商店街の浸水などを含めれば、被害額はさらに膨らむことが予想される。

 台風で被災した地域からは「選挙どころではない」との声も聞こえてくる。しかし、各陣営はこのような非常時だからこそ、政治が果たす役割を示す必要がある。住まいの確保や営農再開、商工業の振興などについて、具体的な対策を丁寧に訴えることが大切だ。

 今回の災害により、ハザードマップや避難についての意識が高まっている。気候変動に伴う自然災害の猛威は続くだろう。今後の防災、減災の在り方についても考え方を示すことを求めたい。

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故による複合災害からの復興は、発生から8年8カ月が過ぎようとする現在も道半ばとなっている。風評に負けないための県産品のブランド力強化や原発の着実な全基廃炉を含めれば、震災復興は中長期的に向き合わなければならない課題だ。

 政府は、復興庁の設置期間を10年間延長する方針を示した。今後は復興予算で造ったインフラなどを活用し、震災被害からの生活再建を本格化する段階に入る。県議には選挙区を問わず、住民がふるさとの再生を実感できるような施策の実現に向け、国や県を動かしていく責任があることを改めて銘記しなければならない。

 人口減少も深刻な問題だ。県の推計によれば、何の手だても講じなければ2040年には県の人口は約147万人まで減少する見通しだ。それぞれの地域を守り、次世代に引き継いでいくための「地方創生」の取り組みについても十分に訴えてほしい。

 舌戦はきょう1日を残すのみ。各陣営には、有権者一人一人の心に響く政策を訴えてもらいたい。