【11月13日付社説】台風19号・上陸から1カ月/生活再建へ丁寧な対応必要

 

 台風19号が上陸し、本県などで甚大な被害を及ぼしてから1カ月が経過した。被災者、被災地が抱える課題への対応を充実させ、復旧を進めていくことが大切だ。

 避難生活の長期化が深刻となっている。避難所に身を寄せる避難者数はいまだに8市町村で計千人を超えている。県によると、市町村によっては借り上げ住宅として使える家屋が少ないことや、住宅を修理して住むか、借り上げ住宅に入居するかによって受けられる支援が異なることから、今後について決めかねている人が多いとみられるという。

 避難生活は心身ともに強い疲労を伴う。東日本大震災では避難生活中の災害関連死が大きな課題となった。県や市町村は、一人一人の要望に添った支援制度の活用を促すことで、避難者が早期に生活再建の道筋を立てられるようにしてもらいたい。

 今回の台風では避難の在り方が課題として浮き彫りとなった。夜間に激しい雨となり、警戒レベルも次々と引き上げられたものの、避難が遅れたり、車で移動している最中に死亡した人が少なくとも9人に上ったことが判明している。

 気象変動の影響で、豪雨災害の頻度が高まっている。今後も同様の気象災害が起きる可能性はある。県や各市町村には災害発生前の広報を含め、避難の促し方に問題がなかったのかをしっかりと検証し、改善につなげていくことが求められる。

 住民は今回の被害を手掛かりに、大規模災害時にどのように行動すべきかをあらかじめ考えておくことが重要だ。

 被災地では、浸水した家の後片付けなどで出た災害ごみが生活空間に残っている場所もある。

 生活空間にごみが山積みの状態は衛生面、治安面ともに好ましくない。生活再建にも影響する。環境省や県は仮置き場への運び出しに向けた人員確保などの支援を手厚くしてほしい。

 同省はこれまでの大規模災害から、災害ごみの処理には数年かかるとの見通しを示しているが、総量の把握はまだできていない。県は災害ごみの処理の加速に向けたグループを新設し、広域処理に向けた調整や、市町村の支援に向けて準備を進めている。

 被災市町村は被災者への対応に追われ、ごみの処理にはなかなか手が及んでいないのが現状だ。市町村がごみ処理の見通しを立てられるようにするには、同省や県が具体的な処理の流れなどを早く示すことが不可欠だ。