【2月27日付社説】迫る聖火リレー/「復興の今」積極的に発信を

 

 東京五輪の国内聖火リレーまで1カ月を切った。リレーは本県のJヴィレッジ(楢葉町、広野町)からスタートし、聖火が121日をかけて全国を巡る。五輪が「復興五輪」として、改めて注目される契機としなければならない。

 県内のリレーは、3月26日から3日間で行われる。初日は、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で大きな被害を受けた浜通りを巡る。27日は浜通り北部から福島市、会津地方へと県土を横断する。最終日の28日は南会津町から始まり、須賀川市や郡山市などの中通りで聖火をつないでいく。

 リレーが通過する市町村では、「相馬野馬追」の騎馬武者による聖火の先導など、多彩な取り組みが行われる。リレーを迎える県民の姿や沿道の風景は、地域再生を進めてきた「福島の今」を表している。大会組織委員会と県は、国内外へ復興の現状が正しく伝わるよう、リレーの様子を積極的に情報発信してもらいたい。

 聖火ランナーが走る距離は、1人当たり200メートル程度となっている。本県では、県内59市町村にゆかりのある「公募枠」の59人や、県産品CMの出演を続ける人気グループ「TOKIO」などのPRランナー7組、大会組織委などから推薦されたランナーが、26市町村の260区間を駆け抜ける。

 リレーの出発地や到着地では、式典や地域の魅力を発信するプログラムが行われる。沿道では住民団体によるさまざまな「おもてなし」の行事を予定する。地域住民らが、聖火ランナーの後ろを「サポートランナー」として追走する企画も準備されている。

 ランナーが担当する区間や関連する行事の詳細は、3月上旬から中旬にかけて発表する見通しだ。県は、丁寧な周知を心掛け、「走る」「見る」「応援する」など、それぞれの立場での県民参加を呼び掛けてほしい。

 実際のリレーでは、ランナーは前後を車両に挟まれて走ることになり、周辺は交通規制される。東京都で行われたリハーサルでは、準備でスタートが遅れるなどの課題があったという。著名人がランナーを務める区間では、混乱を招かないような工夫が必要になる。

 新型コロナウイルスへの対応も急務となっている。大会組織委と県は、残された時間を有効に活用し、安全で円滑な運営に向けた準備に最善を尽くすことが重要だ。

 リレー実施を前に、トーチの巡回展示が始まっており、「復興の火」としての聖火の展示も行われる。着実に聖火リレーの盛り上がりに結び付けていきたい。