【9月20日付社説】敬老の日/地域活力で居場所づくりを

 

 高齢者が生きがいを持ち、心豊かな生活を送ることのできる社会づくりを進めていきたい。

 県内の100歳以上の高齢者(1日現在)は1369人で過去最多となった。最高齢者は110歳の女性で、男性は109歳だった。1996年に初めて100人を超えてから25年連続で増えている。医療技術の進歩に加え、健康意識の高まりによる食生活の改善や運動の奨励、介護予防の取り組みなどが要因とみられる。

 本県の高齢化率をみると、32.1%と全国平均を3ポイント以上上回っている。長寿社会が進むにつれ、高齢者が仕事や社会活動などで地域に関わる機会も増えてくる。政府の高齢白書によると、仕事をしている60歳以上の約4割の人が「働けるうちはいつまでも」と回答している。

 国、県は働く意欲のある高齢者を受け入れる環境整備、地域社会で経験や知識を活用できる場の確保へ積極的に取り組んでほしい。

 生き生きとした老後を過ごすためには、健康であることが前提となる。県は65歳を過ぎて要介護度2以上にならずに健康に過ごせる期間を算出した健康寿命の指標「お達者度」を公表している。2016年のデータで県平均は男性17.14年、女性20.31年で、13年のデータと比べ延びているものの、全国平均は下回っている。

 介護や病気などで日常生活を制限されないで生活できる、健康寿命を延ばすことが大切になってくる。県は身心の衰えた状態になるフレイルの予防に向け、11月から県内3地域で高齢者対象の健康料理教室を開き、健康づくりに生かせる料理を学んでもらう予定だ。簡単な家事がフレイル防止につながる。継続して取り組み、裾野を広げていってもらいたい。

 郡山市で毎月1回、高齢者が集まり、ゲームや会食などを通して交流する場が設けられている。新型コロナウイルス感染症対策のため現在は休止しているものの、桑野婦人会元気長寿カフェ部会が取り組みを続ける。

 食事と運動、社会参加が活動の柱だ。代表で県婦人団体連合会長も務める小林清美さんは「部会のメンバーが持ち寄った手作り料理を食べてもらったり、お茶を飲みながら近況を聞いたりして交流している。地域の活力を基盤に、ほかの地域にも広げていくことが大切」と指摘する。

 あすは「敬老の日」。地域一体となって高齢者が笑顔で触れ合える居場所づくりを進めていくことが、これからの健康長寿社会を支えていく。