【11月17日付社説】新型コロナ・高齢者施設/知見生かし面会の安全保て

 

 新型コロナウイルスの感染拡大により、高齢者施設の面会制限が続いている。厚生労働省は先月、入所者をみとるなど、緊急の場合を除いて制限を継続する方針を示した上で、面会を行う際の注意点を示した。

 県認知症グループホーム協議会の森重勝会長によると、入所者は面会がなくなったり、少なくなったりすると、ストレスで人と話すのが嫌になる傾向がみられる。人と話さなくなると、認知症の悪化などにつながる恐れがある。一方で面会後の入所者の多くに笑顔が見られるという。

 厚労省はこれまで蓄積された知見から、面会を行う際には面会者の体調確認の徹底、感染者が発生した場合の調査が可能となるよう面会の記録をとることなどが必要としている。

 面会できない状態が続けば、利用者の精神面を含めた健康への影響が懸念される。制限を維持しつつ、面会を行う際に注意すべきポイントを明示したのは、入所者の心のケアを考慮すれば、妥当な判断だろう。

 厚労省は、制限の程度について各施設の管理者に委ねている。管理者には地域の感染状況、個々の入所者の事情に応じ、適切な判断が求められる。

 高齢者が新型コロナに感染すると重症化しやすいとの情報を重く見た県は2月、国に先行し、緊急時を除き面会の制限を求める通知を各施設に出した。コロナ禍の長期化を受けて7月には、面会を行う場合は感染防止策を徹底するよう通知し、面会を行う際の実践例や、面会者が記入するチェックシートを示した。

 面会を徐々に再開している施設では、人数や時間を制限、ガラス越しでも通話しやすいようトランシーバーを導入するなどの工夫を行っている。面会は入所者、家族が互いの様子を確認できる大切な機会だ。各施設は、安全に面会できる環境の確保に向け、引き続き知恵を絞ってもらいたい。

 面会を厳しく制限している施設もある。入所者の健康を考慮した結果として理解できる。こうした施設は、オンライン面会などの機会をできる限り設けることに加え、入所者の精神面の健康にも十分な注意を向けてほしい。

 県は、厚労省の見解を基に、面会を受け入れる施設側が記入するチェックシートを新たに示して、各施設の対応強化を促した。国や県は、感染状況の変化に応じて各施設に対策を切れ目なく促すことで、安全確保に緩みがでないようにすることが重要だ。