【2月23日付社説】自転車の活用/魅力伝え機運高める施策を

 

 体力づくりや健康のため自転車を楽しむ人が増えている。多くの人が、日常生活で気軽に自転車を利用できる環境を整えたい。

 県は新年度一般会計当初予算案に、自転車を活用した健康づくりの事業費を計上した。初心者から上級者まで楽しめるサイクリングルートを設定するほか、街中などにスポーツ車などを駐輪するためのサイクルラックを設置し、自転車の利用環境を向上させる。

 自転車は二酸化炭素を排出しない交通手段で、健康増進や交通渋滞の緩和、災害時の移動・輸送の確保につながるとされる。国は、2017年に自転車活用推進法を施行し、各自治体に自転車活用の推進計画策定を求めている。

 県は昨年3月に推進計画を策定した。走行に適した環境づくり、サイクルスポーツ振興や健康づくり、観光推進などを目標に設定している。新年度事業も計画に基づくものだ。自転車通行帯の拡幅や自転車を貸し出すシェアサイクルの拡充など、県民ニーズを把握しながら、自転車利用の機運を高める施策の展開が求められる。

 国は、通勤や業務での自転車利用を推奨している。国土交通省の自転車通勤導入の手引によると、近・中距離の場合、自転車は車や鉄道などほかの交通手段より所要時間が短いとのデータや、3カ月間の通勤で体重や体脂肪率が減少したという調査結果がある。

 働き盛り世代などに日常的な利用を促すことで、健康寿命の延伸や生活習慣病の予防が期待できる。県や市町村などは、経費節減など企業側の利点も周知し、積極的に導入を働き掛ける必要がある。

 県内には県管理の大規模自転車道が3ルートあり、いわき市では防潮堤などを活用した約53キロの「いわき七浜海道」が本年度内に完成予定だ。本県の豊かな自然や地域資源を生かし、自治体の枠を超え、観光誘客に向けた新コースの利活用を目指す動きもある。

 県は新年度事業で、自転車観光などと組み合わせたルート選定を進める。愛好家向けの本格的なルートに限らず、子どもや高齢者などが楽しめる短距離コースや、健康増進の取り組みとも連動し、コースに消費カロリーを示した看板を設置するなど、特徴あるコースを検討してもらいたい。

 県は昨年10月、県内のルートやイベントなど、自転車関連の情報を発信するポータルサイトを開設した。全国各地の著名なコースを走行し、イベントなどに参加する愛好者は多い。情報の内容や発信方法に工夫を凝らし、誘客につなげてほしい。