【10月24日付社説】衆院選・期日前投票/制度理解し1票を投じよう

 

 有権者に浸透し、利用者が増えている期日前投票の活用を呼び掛け、投票率の向上につなげたい。

 期日前投票は、投票日に仕事や旅行などで都合がつかない人の投票機会を確保するため、2003年の公選法改正で導入された。

 国政選挙では04年の参院選で初めて実施され、投票率はわずか7%だったが、それ以降は、投票所の増設などにより利用者は右肩上がりで増えている。前回17年の衆院選では、国内で約2100万人が期日前投票を利用し、初めて投票率が20%を超えた。

 県内の前回衆院選の期日前投票者数は38万5911人に上り、投票者全体の4割を占めた。20日に始まった今回の期日前投票で、県内13市の初日の投票者数は約6900人と、前回衆院選の初日の2倍近い数字となった。

 選挙人名簿に登録されている自治体の投票所であれば、誰でも利用できる。有権者は積極的に期日前投票を利用し、大切な1票を投じてほしい。

 期日前投票所は59市町村の199カ所に設けられた。大半は公共施設だが、買い物などのついでに立ち寄れる大型商業施設、駅構内に設ける自治体もある。また、田村、下郷、柳津の3市町では、投票箱を積んだ車両が「移動式投票所」として地域を巡回する。

 人口減少や過疎化により、県内は投票所の統廃合が進んでいる。しかし投票所が遠くなったため、移動手段がない高齢者などが投票を棄権するような事態は避けねばならない。地域の公民館や集会所などの移動式投票所の立ち寄り箇所を増やすなど、期日前投票制度を活用し、有権者の投票機会を確保することが大切だ。

 南相馬市は市内の県立高3校で放課後の時間帯にバスを活用した移動式投票所を設ける。18歳以上の在校生と教職員が利用できる。このほか県内では福島大(福島市)、田村高(三春町)にも期間限定で期日前投票所が設けられる。

 年代別で最も投票率が低い傾向にある20代を中心に、県内は若年層の投票率向上が課題となっている。4年ぶりの衆院選は、若者が政治や選挙に関心を持ち、1票の重みを理解する大切な機会だ。県や市町村選管は、若者への投票呼び掛けに力を入れてほしい。

 総務省は、新型コロナウイルスの感染防止対策として、投票日当日の混雑を回避するため、市町村選管に期日前投票を積極的に活用するよう促している。期日前投票所でも受付箇所や記載台の増設するなど、感染対策に万全を期してもらいたい。