【10月26日付社説】衆院選・新型コロナ対策/感染抑止と備えの道筋示せ

 

 新型コロナウイルス感染症対策は、国民の命と健康を守るために最優先で取り組まなければならない課題だ。各党、候補者には最善策を競い合ってもらいたい。

 全国的に落ち着いている今の感染状況がいつまで続くのか先行きが見通せないなか、医療体制の強化は急務だ。第5波では、感染者の急増に病院の受け入れが追い付かず、自宅療養中に死亡するケースが相次いだ。

 与野党ともに受け入れ病床の増強など医療体制の充実を訴え、財政的な支援も掲げている。政府のこれまでの対応では、補助金の投入により患者の対応に当たった病院の収支は改善したものの、病床逼迫(ひっぱく)の解消には結び付かなかった。人材の確保とセットで、患者の急増に即応できる仕組みづくりが求められる。

 冬場にかけて懸念されている第6波に備え、ワクチンを希望するすべての人への接種と、3回目への備えが課題に挙がっている。

 感染拡大を抑え込まなければ、収束後の戦略を描くことはできない。治療薬の開発促進やPCR検査の拡充など、新型コロナに抵抗力のある社会の実現へ与野党の実行力が問われる。

 新型コロナ対策は省庁をまたいだ政策が多い。ワクチン供給を巡る見解の食い違いなど国と都道府県、市町村との間で連携を欠いた面があった。これを踏まえ与党は司令塔機能の強化を訴える。野党は、立憲民主党が首相直轄の司令塔組織の再編・集約、国民民主党が米疾病対策センター(CDC)を参考にした日本版CDC創設を掲げるなどしている。

 感染拡大への対応はスピード感が大切となる。臨機応変に施策を打ち出せる司令塔機能について、具体像を示してほしい。

 第5波のピーク時には1日当たりの感染者数が全国で連日2万5千人を超えた。飲食店などの営業時間短縮はじめ、感染拡大が社会に及ぼした影響は大きい。

 第5波がほぼ収束したことで、首都圏や大阪府で営業時間短縮が解除された。本県では、県民が県内の旅館やホテルに宿泊する際の費用の一部を補助する「県民割プラス」の継続も決まり、人の動きはより活発になってくる。

 感染状況をにらみながら、コロナ禍前の日常に近づけるための効果的な処方箋が不可欠となる。ワクチン接種済証や検査の陰性証明を提示し、行動制限の緩和につなげる「ワクチン・検査パッケージ」の活用の在り方について、ルールづくりなどに論戦を深めることが望ましい。