【10月28日付社説】メタボの解消/保健指導で生活改善を促せ

 

 県民一人一人が健康への意識を高め、食生活の改善や運動などを実践することが大切だ。

 厚生労働省のまとめで、2019年度に特定健康診査を受けた県民のうち、メタボリック症候群に該当した人の割合(メタボ率)は18・4%に上った。前年度より0・3ポイント増え、特定健診が始まった08年度以降で最悪となった。

 特定健診は40~74歳が対象で、19年度は県内で約45万6千人が受診した。メタボ症候群は腹囲に加え、血圧、血糖、脂質のうち二つ以上が基準値を超えると該当する。メタボ該当者は約8万4千人、メタボの診断基準に迫る「予備群」は約5万8千人だった。

 県は16年度から健康をテーマに県民運動を展開しているものの、本県のメタボ率は沖縄、秋田、宮城に次いでワースト4位と極めて深刻な状況で、対策が急務だ。

 県は「健康への関心が低く、食事と運動のバランスが取れていない人が多い」としている。肥満や高血圧、糖尿病などの生活習慣病は放っておくと、心臓病や脳卒中などを引き起こす危険性が高まるとされる。啓発活動を強化するなどして、県民健康への意識改善を図る必要がある。

 国や県、市町村は、生活習慣病の早期発見につながる特定健診の受診を呼び掛けている。しかし19年度の県内受診率は54・7%と、全国平均を下回った。

 未受診の理由は「時間がない」「ほかの病気で通院している」などが多いとみられる。自分自身の健康状態を把握することが、健康づくりの第一歩となる。市町村や関係機関は、土曜健診やがん検診との同時実施などで対象者の利便性を高め、受診率の向上につなげてほしい。

 県内でメタボが多い要因は、塩分過多の食生活、車移動による運動不足などとされる。メタボや予備軍と診断された人が生活を見直し、各指標を改善しなければ、全国下位の状況から抜け出せない。

 しかし保健師や管理栄養士のアドバイスを受ける特定保健指導の実施率は19年度で26・7%にとどまる。途中でやめる人も多い。

 市町村などは保健指導の有効性や具体的な成功例の周知に努め、対象者が意欲的に生活改善に取り組める環境を整える必要がある。

 新型コロナウイルスの感染拡大による外出控えで、20年度以降もメタボ率の悪化が懸念される。県や市町村は、屋内で気軽にできる体操や、野菜を先に食べ、血糖値の上昇を抑える「ベジファースト」などの取り組みを定着させ、予防に万全を期してもらいたい。