【1月12日付社説】お達者度/成功事例共有し底上げ図れ

 

 全国に誇れる健康長寿県の実現に向け、規則正しい生活と運動、生きがいの持てる社会参加を実践していきたい。

 県が健康寿命の指標として、65歳で要介護度2以上にならず自立して健康に過ごせる期間の平均を示す「お達者度」の2019年のデータを公表した。男性17・46年、女性20・61年で、16年のデータと比較すると微増にとどまっており、全国平均を下回った。

 お達者度が伸びたのは、平均余命が伸びているほか、高血圧の発症が減少傾向にあることなどが要因とみられる。

 今後、平均余命が伸びたとしても、要介護度2以上の「不健康な期間」が長くなれば、日常生活に支障がなく健康でいられる期間は限られてしまう。県は、健康長寿県を目指すにはお達者度をもっと伸ばす必要があるとしている。

 県は13年分から3年ごとにお達者度を公表している。伸びが低調だった結果を踏まえ、市町村は住民の健康状態をきめ細かく把握した上で、健康づくりの具体的な施策に反映させなければならない。

 高齢者が心身の衰えた状態のフレイルにならないためのプログラムや、社会活動に気軽に参加できる機会の創出なども不可欠となる。地域や企業などと連携して取り組みを充実してほしい。

 県は人口規模が小さいと死亡数のわずかな違いで数値が大きく変動するため、1万2千人未満の町村は参考値として公表している。

 人口1万2千人以上でお達者度が最も長かったのは、女性が南会津町で、高齢者サロンを開くなど健康指導に力を入れている。男性で最長だったのは猪苗代町で、住民が体を動かしたり、生きがいを持って過ごしたりしていることがお達者度の伸びに結び付いていると担当者はみている。

 がん検診の普及や介護予防など、地域の実情に即した健康づくりが効果を上げている事例もある。県には、市町村が成功事例を共有し活用できるよう支援していくことが求められる。

 健康づくりは塩分を抑えて栄養バランスの取れた食事、喫煙や飲み過ぎなど生活習慣の見直し、適度な運動など、自発的に始められる。ただ、一朝一夕に結果が出るものではない。

 子どもから中高年層まで、全ての年代が継続して取り組むことにより、がんや脳血管疾患などの死亡率が改善され、お達者度を底上げできる。高齢者になったから始めるのではなく、いまからできる健康づくりを、一人一人が意識的に進めていくことが大切だ。